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相談事例:亡くなった父が生命保険に加入していましたが手続がわかりません

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解決事例ダイジェスト

被相続人(亡くなられた方)の生命保険契約の有無が分からない場合、一般社団法人生命保険協会に、生命保険契約照会を行うことにより確認が可能です。
生命保険契約照会を行うことにより、被相続人が契約者または被保険者となっている生命保険契約の有無を調査することが出来ます。

当事務所では、相続人から依頼を受けることにより、代理人として、一般社団法人生命保険協会に、生命保険契約照会を行うことが可能です。

一般社団法人生命保険協会からの回答結果をもとに、該当する生命保険会社に生命保険の詳細を確認しました。
相続人が受取る保険がありましたので、当事務所で手続きを代行し、無事相続人が保険を受け取ることが出来ました。

相談内容

生前にいくつか生命保険に加入していたみたいですが、生命保険の内容が良く分かりません。生命保険会社に問い合わせれば生命保険の内容が分かると思うのですが、どこの生命保険会社に加入していたのか分かりません。どうしたら良いでしょうか?

当事務所の対応

被相続人(亡くなられた方)の生命保険契約の有無が分からない場合、一般社団法人生命保険協会に、生命保険契約照会を行うことにより、生命保険契約の有無の確認が可能です。
相続人から委任状を頂き、代理人として当事務所が一般社団法人生命保険協会に、生命保険契約照会を行いました。
生命保険契約照会を行う際には、以下の書類が必要になります。

1.委任状

2.死亡診断書

3.同意書

4.法定相続情報や相続人と被相続人の関係を示す戸籍等

生命保険契約照会の回答結果をもとに、各生命保険会社に、保険契約の詳細を確認し、保険金受領に必要な書類を請求しました。
相続人の預金口座に直接生命保険金が振り込まれる様に手配し、無事、生命保険金を受領することが出来ました。

司法書士からのコメント

2021年7月1日から、一般社団法人生命保険協会に、生命保険契約照会を行うことにより、被相続人の生命保険契約の有無が確認出来る様になりました。
今までは、生命保険については、通帳の履歴や家にある保険証券の有無や定期的に送付されてくる案内等から、生命保険契約の有無をチェックするしか無かったのですが、2021年7月1日からは、一般社団法人生命保険協会に、生命保険契約照会を行うことにより、被相続人の生命保険契約の有無が確認出来る様になりました。

確認出来る内容は、被相続人が契約者または被保険者となっている生命保険契約の有無です。
手数料は、1回の照会につき3,000円です。
複数の姓や異なる住所で調査する場合には、その都度3,000円掛かりますので、例えば、旧姓と現在の姓で、生命保険契約照会を行う場合、6,000円掛かることになります。
生命保険契約照会は、インターネットで行うことも可能です。
但し、照会時の生命保険契約の有無が確認出来るという制度ですので、相続開始時の生命保険契約の有無を確認出来る訳ではありません。
相続税の申告が必要な方は、相続開始時の財産を調査することになりますが、生命保険契約照会の場合、相続開始時の保険契約の有無を調査出来る訳ではないので、注意が必要です。

例えば、1月1日に亡くなって、N生命の生命保険金を2月1日に受領していて、生命保険契約照会を3月1日に行った場合、回答結果は、N生命は該当なしという結果になります。
何が問題かと申しますと、相続人の1人が保険金を受領して黙っていた場合には、この生命保険契約照会ではチェックが出来ないということです。
当事務所でも、相続人が生命保険金を受領していたにも関わらず忘れていて、生命保険契約照会でも生命保険契約の該当なしという結果だったため、財産目録作成時まで生命保険がないという前提で手続きを進めてしまったということもあります。

当事務所では、相続人全員に財産目録を開示する際、生命保険契約の有無についてご存知かどうかを、書面で質問し、回答して頂いております。その際に、今までずっと口頭では生命保険契約はないと仰っていた相続人が、急に生命保険契約があるということを仰るケースもあります。やはり、重要な点については、口頭の確認だけでは不十分という、いい例なのだと思います。上記の様な慎重な対応を行うことで、生命保険契約の漏れを防止出来る可能性が高くなるのだと思います。

生命保険契約照会制度は、生命保険の調査は可能ですが、損害保険は調査が出来ません。今は、生命保険と損害保険の境界が、かなりあいまいな保険も多々あります。損害保険契約の有無を調査出来なければ、保険契約の調査結果としては万全ではありませんので、損害保険契約については、原則どおり、通帳の履歴や家にある保険証券の有無や定期的に送付されてくる案内等から、保険契約の有無をチェックする必要があります。

当事務所では、今のところは、生命保険契約照会制度は、生命保険契約の手続き漏れを防止するために活用するという位置づけですので、やはり生命保険についても、原則どおり、通帳の履歴や家にある保険証券の有無や定期的に送付されてくる案内等を相続人の皆様にご確認頂き、更に生命保険契約照会制度を念のため、活用するという方法をとっております。

この記事は司法書士が監修しております。

司法書士 石山健二

相続の累計問合せ件数4,479件(2023年末まで)と実績が豊富で、相続に特化するはながすみ司法書士事務所の所長。相続は丁寧な説明が必要というのがモットーで、相続の幅広い知識と経験を基にした顧客本位の相談対応をワンストップで行っている。

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