相続や遺言を司法書士に相談するのが良い6つの理由
相続や遺言書作成について相談できる専門家の種類は複数あります。
中でも司法書士は相続や不動産のプロフェッショナルであり、不動産が含まれる相続案件では非常に頼りになる存在です。
この記事では相続や遺言書作成を司法書士に相談するのが良い6つの理由をお伝えします。
相続について専門家に相談しようとしている場合にはぜひ参考にしてみてください。
1.司法書士の業務内容
そもそも司法書士がどういった仕事をしているのか、確認しましょう。
1-1.不動産や会社などの登記業務
司法書士はもともと不動産や会社などの登記を行うのをメインの業務としています。そのため相続においては不動産に強い特徴があります。たとえば不動産を売買したら所有名義を買い手に移さなければなりません。そのときの所有権移転登記を行うのが司法書士の仕事です。抵当権の設定や抹消、会社設立などの登記も司法書士が行います。
1-2.認定司法書士は本人の代理人もできる
近年では司法書士が法務局に提出する書類だけではなく裁判所へ提出する書類を本人の代理で作成したり、140万円までの金銭請求事件の代理人を行ったりできるようになり、業務範囲が広がっています。
たとえば債務整理の代理人を行ったり過払い金請求の代理を行ったりできます。
ただし上記のような当事者の代理人などの仕事ができるのは、法務大臣の認定を受けた「認定司法書士」のみです。すべての司法書士ができるわけではありません。
1-3.成年後見業務
司法書士事務所は成年後見業務にも力を入れているケースがよくあります。
成年後見業務とは、認知症などになって判断能力が低下した人のために第三者が財産管理や身上保護を行う制度(成年後見制度)を活用する仕事です。司法書士は、成年後見人選任の申立をサポートすることもありますし、自らが成年後見人となる事例もよくあります。
2000年4月1日に新しい成年後見制度がはじまったときに「公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート」を設立して支援を開始するなど、司法書士全体が成年後見業務に積極的に携わっています。現在でも、親族以外の後見人の中では司法書士がもっとも多く成年後見人として選任されています。司法書士は成年後見の専門家として地位を確立しているといえるでしょう。
以上のように司法書士の活動は一般の方にかかわる部分も多く、相続分野と関連するものが多くあります。町の頼れる法律家として、相続案件に関わっていくのが司法書士の役割といえるでしょう。
以下で相続や遺言について司法書士に相談すべき理由をみていきます。
2.司法書士に相続や遺言を相談すべき理由
2-1.司法書士は不動産登記と法律の専門家
1つ目に、司法書士は不動産の登記や法律の専門家である点が挙げられます。
相続の場面では、遺産の中に不動産が含まれていて「相続登記」が必要となるケースが多々あります。相続登記は複雑なので、専門知識のない方が自分で行うと間違いが生じやすく時間もかかってしまうものです。司法書士に依頼すると、スムーズに不動産登記(相続登記)を進めてくれるので、相続人にかかる負担が軽くなります。
また相続の際には法律知識が必要な場面が多数あります。たとえば遺産分割を行う際には法定相続人と法定相続分を把握しておかねばなりません。遺言書の検認が必要となるケースもあります。遺言書を作成する際には遺言書が無効にならないよう、細心の注意を払わねばなりません。
司法書士は法律の専門家なので、遺産分割や遺言書作成、相続放棄などの法律的な事項についても適切なアドバイスをしてくれます。遺産分割協議書や遺言書作成の具体的なサポートもしてもらえるので、相続人や遺言者に負担がかからなくなります。
2-2.司法書士は不動産実務と不動産売却に詳しい
司法書士は不動産登記の専門家であり、日常的に売買などの取引にかかわる機会がよくあります。そこで自然と不動産の売却や活用に詳しくなり、当事者へ売却や不動産活用のアドバイスを行っている司法書士も多数います。
不動産を相続したら、売却するか活用するか考えなければなりません。その際にはどういった活用方法があるのか、どのような流れで売却すれば良いのかなども把握しておく必要があるでしょう。
不動産の実務や売却、活用について詳しい知識のある司法書士に相談していれば安心です。
2-3.司法書士は相続手続き全体を意識してアドバイスできる
司法書士は、相続発生から不動産の登記などの相続手続き完了まで、当事者をまるごとサポートできる仕事です。
たとえば以下のような業務を行っています。
- 相続人調査
- 遺産の調査
- 法定相続情報証明制度の活用
- 相続放棄や限定承認の申述
- 遺産分割協議書の作成
- 遺言書の検認
- 不動産の相続登記
- 預貯金の相続手続き
- 株式の相続手続き
- 死亡保険金の相続手続き
このように相続手続きの初めから終わりまで対応しているので、相続のどの段階で相談に行っても適切なアドバイスを受けられます。
相続手続き全体を意識したサポートをしてもらえるのも司法書士のメリットといえるでしょう。
2-4.司法書士は遺産分割協議の作成にも対応できる
相続人同士で遺産分割協議を行い話がまとまったら、遺産分割協議書を作成しなければなりません。
遺産分割協議書は後々まで遺産分割協議が成立したこととその内容を証明する書類なので、非常に重要な書類です。遺産分割協議書の作成に不備があると、相続登記や預金払戻しなどをスムーズに進められなくなってしまいます。
遺産の中に不動産が含まれている場合には、司法書士に遺産分割協議書の作成を依頼できます。
法律家である司法書士に遺産分割協議書の作成を依頼すると、自分で対応しなくて良いので楽に作成できますし、不備がある可能性は低く安心感があるでしょう。遺産分割協議書を作成する際には自己判断で作ってしまうのではなく、まずは司法書士に相談してみてください。
2-5.司法書士は相続に関わる専門家のネットワークを持っている
遺産相続手続きを進める際、司法書士以外の専門家による支援が必要な場面もあります。
たとえば相続税が発生する事案では税理士によるサポートが必要ですし、遺産分割でもめてしまった場合には弁護士による支援を要します。
相続に力を入れている司法書士であれば、こうした相続にかかわる専門家のネットワークを持っているものです。
相続の専門家ネットワークを持つ司法書士に相談すると、必要に応じて相続税に詳しい税理士を紹介してもらえたり相続に力を入れている弁護士を紹介してもらえたりするので安心です。自分で別途税理士や弁護士を探す必要はなく、ワンストップで相続問題を解決できます。
ただし全ての司法書士が相続にかかわるネットワークをもっているわけではありません。あくまで「相続に力を入れている司法書士」に限られるので、相談先の事務所を選ぶときには事前に確認しましょう。
2-6.司法書士の相続手続きの報酬はリーズナブル
遺産相続や遺言書などについて相談できる専門家には、司法書士以外にも行政書士や税理士、弁護士があります。ただ行政書士が対応できる業務内容は限定的ですし、税理士が関わるのは相続税の計算や申告のみです。
相続手続き全般にかかわれるのは司法書士と弁護士といっても良いでしょう。
両者の費用を比べると、司法書士の場合には弁護士よりも安くなるケースが多数です。
たとえば紛争のない遺産相続手続きの場合、弁護士なら着手金+遺産総額の数%程度かかるのが一般的な相場ですが、司法書士なら数万円~となっています。
報酬がリーズナブルな点も司法書士に依頼するメリットといえるでしょう。
まとめ
千葉県のはながすみ司法書士事務所では相続案件に力を入れて取り組んでいます。各種の相続の専門家と連携しており、ワンストップで相続問題を解決します。
遺言書作成にも積極的に取り組んでおり、これまで多くの方の遺言書サポートをさせていただきました。成年後見業務にも対応いたします。
- 遺言書を作成したい
- 遺産分割協議の進め方がわからない
- 相続人調査に手間がかかり過ぎて困っている
- 相続手続きを行う時間がない
- 遺産分割協議書の作成方法を知りたい
相続や遺言について迷いや悩みのある方は、お気軽にご相談ください。
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