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司法書士に相続登記を依頼する際、準備しておくと喜ばれるポイント

司法書士に相続登記を依頼する際、準備しておくと喜ばれるポイントがいくつかあります。

まず司法書士に相続登記を依頼する場合、以下の方法がありますので、どちらを希望するか考えておくと良いと思います。

  1. 出来る限り司法書士に手続きを任せたい。
  2. 自分で出来ることは自分で行いたい。

『出来る限り司法書士に手続きを任せたい。』方が、準備しておくと喜ばれるポイント

相談の際には、以下を準備しておくと相談がスムーズに進み喜ばれます。

  1. 家族関係を記載したメモ
    記載して頂きたい内容は、
    被相続人の氏名・生年月日・死亡日
    配偶者(夫や妻)の氏名
    子供の氏名

    相続人が兄弟等の場合には、更に記載して頂きたい内容が増えます。

  2. 不動産に関する資料
    権利証や固定資産税の納税通知書等です。
    特に初回の相談の際に、概算費用の算出をご希望の場合には、固定資産税の納税通知書が必須になります。

    良くある質問で、『一戸建てて、築何年で、何㎡だけど、いくら位?』と聞かれますが、固定資産税の納税通知書が無いと、登録免許税という法務局に支払う費用の算出が出来ません。
    その他にも、固定資産税の納税通知書をお願いしても、領収書だけを持参する方が半数以上です。頂きたい情報としては、土地や建物の固定資産税評価額です。固定資産税額ではありません。伝わり辛いかと思いますが、皆様が実際に支払っている金額を知りたいのではなく、支払っている金額を算出するためのベースとなっている評価額を知りたいです。なかなか書類を見ても分かり辛いと思いますが、手許にあるのが納税通知書なのか領収書なのか、ご確認頂けると助かります。

  3. 認印
    当日、その場で依頼をしたいという方は、委任状に記入押印をして頂くことになりますので、認印をご持参頂けるとスムーズです。その際、シャチハタ以外の印鑑をご準備下さい。初回の相談の際は、実印の必要はありません。
  4. 身分証明書
    当日、その場で依頼をしたいという方は、身分証明書で本人確認を行いますので、身分証明書をご持参頂けるとスムーズです。その際、顔写真入りの公的身分証明書があれば、1点で済みますので、なるべく顔写真入りの公的身分証明書をご準備下さい。

『自分で出来ることは自分で行いたい。』方が、準備しておくと喜ばれるポイント

相続登記を行う場合に一般的に必要となる書類は、以下の通りです。

  1. 被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍謄本等
  2. 被相続人の最後の住所と登記簿上の住所のつながりのつく住民票等
  3. 法定相続人全員の戸籍謄本等
  4. 法定相続人全員の住民票等
  5. 法定相続人全員の印鑑証明書
  6. 遺産分割協議書
  7. 固定資産税評価証明書

自分で出来ることは自分で行いたいという方

自分で出来ることは自分で行いたいという方は、予めご自分で準備出来る限りの書類を準備して、司法書士事務所に相談することをお勧めします。

ゼロベースで、司法書士事務所に、『自分で出来ることは自分で行いたいから教えて欲しい』と言われても、実際、ゼロから全てをお伝えするということは、なかなか難しいと思います。
例えば、戸籍等も自分である程度取得した上で、『何が足りないのか?』という質問を頂ければ回答がしやすいのですが、何もない状況で、『どこに、何を請求すれば良いですか?全部必要なものを一覧にして書き出して下さい。』と質問されても、なかなか回答が難しいです。伝わり辛いかと思いますが、戸籍は、本籍ごとに編成され、筆頭者や戸主ごとに編成されております。本籍が変わる度に戸籍は作り替えられますし、法律上の理由で作り替えられることもあります。上記事情は、人それぞれのため、良くある『私は、原戸籍を集めれば良いですか?それとも除籍を集めれば良いですか?』といった質問にも、回答が難しいです。(弊所では、細かい言葉は気にせず、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を集めて下さいとご案内しております。)

遺産分割協議書を自分で作りたい方

遺産分割協議書を自分で作りたいという方も、ある程度、ご自身で分かる範囲で遺産分割協議書案を作成して持参することをお勧めします。(この時点では、修正が入る可能性があるため、まだ押印していないものをご持参頂くことをお勧め致します。)
遺産分割協議書案を作成して持参して頂ければ、修正点等をお伝えすることは、もちろん可能です。
但し、司法書士事務所によって考え方は様々だと思いますが、ご自身で作成した遺産分割協議書をご持参頂いて、『これで大丈夫ですか?』という質問を頂いた場合、回答出来る内容は、形式的な要件が整っているかどうかという点に限られる点に、ご注意下さい。
私達は、遺産分割協議書を作成する前提として、必ず相続人調査と法務局で登記簿調査を行い、(弊所では、更に市役所で固定資産税評価証明書・名寄帳の請求、権利証の確認、法務局で図面を取得し前面道路等の確認、Googleマップの確認等を行います。)それらの調査結果を踏まえて遺産分割協議書を作成致します。
しかし、皆様作成の遺産分割協議書を確認する際には、上記の様な調査を司法書士事務所では行っていないため、どうしても形式的なチェックのみとなってしまいます。
最後に、必要書類の不足や遺産分割協議書の修正事項について回答させて頂くと、難色を示されることがあります。
例えば、『戸籍のここの部分が足りないので、ここの市役所に請求をお願いします。』や「遺産分割協議書のここの記載が誤っているため、修正をお願いします。」といった回答をさせて頂くことがあります。
こういった場合、もちろん素直に対応して頂ける方もいらっしゃいますが、怒りをあらわにされるケースが散見されます。怒り出さないにしても、不満を露にされるケースがあります。
相続登記は、必要書類も多く手続きも煩雑なため、自分で出来ることは自分で行いたいという方の場合、何度か不備のチェックが入るという位の大らかな気持ちで手続きを進めて頂けると本当に助かります。

この記事は司法書士が監修しております。

司法書士 石山健二

相続の累計問合せ件数4,479件(2023年末まで)と実績が豊富で、相続に特化するはながすみ司法書士事務所の所長。相続は丁寧な説明が必要というのがモットーで、相続の幅広い知識と経験を基にした顧客本位の相談対応をワンストップで行っている。

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