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相続の仕事をしていると司法書士は性格が細かくなっていくのはほんとう?

司法書士は、士業と言われる資格者の中でも、特に性格が細かいと言われています。
相談者様との相性もあるかと思いますが、私は、相続の仕事をする上では、きめ細やかな性格の司法書士の方が、手続きがスムーズに進むことが多いのではないかと思います。
私なりに、相続の仕事をしている司法書士は、どうして性格が細かくなっていくのか考えてみましたので、これから司法書士事務所に相談に行かれる方は参考になさって下さい。

司法書士は、生真面目な人が多い

おそらく、司法書士は、生真面目な人が多いのだと思います。
例えば、私が三井住友銀行の預金の解約のご依頼を頂いたとします。
その際、通帳に、大和証券という記載があったら、依頼人に、大和証券の相続手続きが終わっているかどうかを確認すると思います。
年に2回、パナソニックという記載があったら、株式を所有していた可能性があるため、被相続人(お亡くなりになった方)の株式を把握しているかどうかを確認すると思います。
ご依頼頂いている内容は、三井住友銀行の預金解約のみなので、そもそも、通帳の中身はチェックする必要がないのですが、司法書士は生真面目だから、ご依頼頂いていない内容でも、おせっかいで、色々チェックしていることが多いのではないかと思います。そして、わざわざ依頼人に、『依頼対象外のことをチェックしてますよ』とは説明しないと思いますので、多分、こういったチェックは、ただ働きになっているのではないかと思います。自分で自分の仕事を増やしているのですが、司法書士は生真面目な人が多いので、こういった職人気質な部分があるのではないかと思います。

相続登記(不動産の名義変更)を管轄している法務局が、とにかく細かい

相続登記(不動産の名義変更)の申請は、法務局に行います。
法務局は、とにかく細かいです。どうでも良いと言うと語弊があるかも知れませんが、一般の方からすると、本当にどうでも良いことで登記の補正の連絡が掛かってくることもあります。一旦補正の連絡があると、法務局の主張が誤っているということを、根拠を添えて反論しなければ登記が受理されません。例えば、法務局が誤って、大昔の先例を持ち出してきて、『この登記は、この先例により受理することは出来ません。』と言われた場合、こちらは、『その先例は、○○年の第○○号によって変更されています。』と反論出来なければ、登記の取り下げを求められます(登記が受理されません。)。だから、司法書士は、大昔の本を沢山持っていたり、データベースを購入したりしています。
法務局は、税務署・裁判所と異なる見解をとる場合もあります。例えば、裁判所が判決(裁判)を出していても、その判決(裁判)では登記手続きが出来ないこともありますし、税務署が税務上の手続きで認めている遺産分割方法で遺産分割協議書を作成すると、登記手続きが出来ないこともあります。
通常、我々士業は、他の士業の横断的な知識を全て有している訳ではありません。例えば、弁護士や税理士が、登記手続きの隅から隅までを熟知している訳ではないため、弁護士や税理士の先生方から依頼を頂いても、登記が出来ないというケースも生じてしまう訳です。そういったケースの際に、司法書士は、どちらかというと中間管理職的な立ち回りをしますので、広く浅く幅広い知識を有している必要があり、かつ、登記に関しては、深い専門的な知識を有していなければならず、それらを横断的にまとめあげる力も求められるため、全方位的に注意を払うことになります。

相続登記は、司法書士なら出来て当たり前と思われているので、手続きのプレッシャーが重たい

司法書士の仕事は、出来て当たり前と思われていることが多いです。
例えば、相続登記は、誰がやっても同じと思われることが多いです。
相談者様から、『相続登記は法務局に行けば、自分で出来ますよね?』という主旨のご質問を頂くことがあります。
もちろん、自分で相続登記を行うことは可能だと思います。ただ、私達司法書士は、通常、相続登記のご依頼を頂いた際には、『被相続人に他の不動産が無いかどうか』『増改築の有無』『地目変更の要否』『各種届出の要否』等を検討していると思います。相続登記の依頼を受けているだけですが、やはり、ここでもおせっかいで、司法書士は、通常、色々検討していると思います。
そして、なるべく皆様に手間をかけない様に、スムーズな段取りを意識して、業務を進めています。

案件が完了するまでの期間が長い

相続手続きをご依頼頂く際に、相続税の申告がある方や、配当金の受領手続きが未了の株式がある方や、JA等の出資金がある方は、手続き完了まで、1年を超えることもあります。
案件が完了するまでの期間が長ければ長いほど、業務を丁寧に行っていないと、手続きに漏れが生じたり、依頼人との意思疎通に齟齬が生じることがあります。
私の場合、遺産整理業務(相続登記だけでなく、預貯金や株式等の手続きをご依頼頂いた場合)依頼人との打合の際は、毎回、打合事項という議事録の様なものを準備しており、依頼人の皆様との打合内容を見える化しております。
そして、進捗状況を表にして、依頼人にお渡しして、お互い、どの程度手続きが進んでいるのか、今後、どの位時間が掛かるのかということも、見える化しております。
期間が長い業務の場合、司法書士は、ルーズになってしまう部分が出ない様に、気を配っていると思いますので、期日管理等、かなり気を遣うことになるかと思います。

この記事は司法書士が監修しております。

司法書士 石山健二

相続の累計問合せ件数4,479件(2023年末まで)と実績が豊富で、相続に特化するはながすみ司法書士事務所の所長。相続は丁寧な説明が必要というのがモットーで、相続の幅広い知識と経験を基にした顧客本位の相談対応をワンストップで行っている。

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